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用語集

あ行

アノテーション
画像内の欠陥位置などを指定する操作。あるデータに対して良品/不良品といったデータ自身のラベルだけでなく、欠陥の位置といった関連する情報(メタデータ)を付与し、学習に利用することで精度を上げる。
アンダーフィット
未知のデータだけでなく、学習用データに対しても正しく判定ができない状態。AIモデルの構成が簡易すぎて判定に必要な十分な特徴量を獲得することができない場合に発生する現象。
対となる現象:オーバーフィッティング
インライン検査
生産ラインに組み込んで行う外観検査。生産ラインに組み込まれるため、リアルタイムで判定・払い出し・再検査などを実施することができる。
オーバーフィッティング
過学習と表現されることもある。学習用データに対しては正しく判定できるが、未知のデータに対しては正しく判定できない状態。
AIモデルの構成が複雑すぎて本来は必要のない細かな特徴にまで注目し、学習用データに特化してしまった場合に発生する現象。
対となる現象:アンダーフィット

か行

外観検査
部品や製品の外観をチェックし、欠陥や汚れ、ゆがみなどを確認し品質を維持・保証するための検査。外観検査では作業員が目視で確認する目視検査や、画像処理システム、AIを活用した画像検査が用いられる。
外観上の欠陥
異物、汚れ、キズ、バリ、欠け、変形
過学習
学習用データに最適化しすぎてしまい、汎用性が低くなっている状態のことである。学習時に用いたデータは精度高く判定できるが、インラインで使用すると精度が極端に落ちる場合などが過学習といえる。学習データのバリエーションが不足している場合に過学習になりやすく、過学習を抑制するためには学習データの偏りを除くことが重要である。
学習用画像
AIの学習に使用する画像のこと。
学習率
ハイパーパラメーターの一つであり、重みを更新する際にどの程度変化させるかの指標である。学習率が小さすぎる場合は重みの更新が細かすぎるため学習に時間がかかり、大きすぎる場合は重みの更新が粗すぎるため学習が破たんする傾向にある。
過検出
AI外観検査では良品を不良品と判定してしまい、良品をはじいてしまうこと。不良品の見逃しとトレードオフになることが多い。
画像センサー
カメラで撮影した映像を画像処理することで、検査・計測を行い、データや判定結果を出力するセンサーを指す。
強化学習
機械学習の一種でシステムが試行錯誤してAI自体が最適な解を求める仕組みのことを指す。代表的な手法にQ-Learning、SARSA、モンテカルロ法がある。
教師あり学習
AIやDeep Learningで使用される学習の種類の一つ。入力データと、出力データ(正しい答え)があり、入力データから出力データを推計する。
教師なし学習
AIやDeep Learningで使用される学習の種類の一つ。入力データからパターンや構造を見つけ出し、結果を出力する。教師あり学習とは異なり出力データの検証が必要。外観検査では良品のみの学習で活用されることが多い。
クロップ
学習時のデータ増加手法の一つ。画像の上下左右をランダムに切り取り、リサイズや0埋めを行う処理。学習用データのバリエーションを増やし、汎用性を高めるために使用する。
検査基準
検査の基準を示すもの。検査基準書を用いて基準を設定するほか、標準見本、良品見本、限度見本などを使い検査基準を統一する。
検証用画像
学習結果が正しいか確かめるために使用する画像のこと。
限度見本
製品を品質上の「良品」「不良品」それぞれの限度を示した製品見本。限度見本と製造品を比較することで、合否に迷ったときの判断基準になる。
混同行列
正解数・誤判定数をまとめた表。列が正解のクラス、行が予測されたクラスとなり、各正解クラスに対して予測されたクラスの数を記載する。混同行列を見ることで、どのクラス間で誤判定が多いかなどを簡単に判断することができる。

さ行

ステップ数
「AIモデルの重みを何回更新したか」を示す数である。エポック数が同じ場合でもバッチサイズが異なるとステップ数は異なる。
例えば、1000枚の画像をバッチサイズ100で学習する場合、10組に分けて重みを更新することになるため10ステップで1エポックになる。一方、1000枚の画像をバッチサイズ200で学習する場合、5組に分けて重みを更新することになるため5ステップで1エポックになる。
寸法検査
製品が設計図と同じ寸法になっており、規格や仕様を満たしていることを確認する検査。
セグメンテーション
画像処理手法の一つで、画像内にあるオブジェクト認識にも活用される。Deep Learningでも活用され、インスタンスセグメンテーションやセマンティックセグメンテーションといった手法がある。

た行

デジタルマイクロスコープ
デジタルカメラを搭載した顕微鏡のこと。クリアな画像で観察でき、モニター観察になるため、簡単に観察でき、疲れにくく、長時間の検査に向いている。
データセット
AI外観検査では、AIで学習をする際に使用する画像のまとまりを指す。データセットを学習用のみに使用する画像、検証のみに使用する画像に分け、AIの学習を実施する。
転移学習
Deep Learningの学習手法の一つで、学習済みのAIモデルを別の領域で再学習し、効率的に学習をさせることである。転移学習を行うことで、AIの学習の安定、精度向上、必要な学習量の減少などの効果がある。
追加学習
再学習と表現されることもある。学習済みのAIモデルに対して、画像やエポック数を追加して再度学習させることである。学習が足りない場合や汎用性が低い場合に再学習を実施することが多い。
ドロップアウト
過学習(オーバーフィッティング)を抑制するためにDeep Learningで使用される手法の1つである。ドロップアウトを使用すると、学習の際にランダムに一部の特徴を無視して学習を進める。ランダムに一部を無視することでさまざまなパターンで特徴を捉えることになり、汎用性が上がり過学習を抑制することができる。

な行

ノーコードAI
機械学習エンジニアやデータサイエンティストなどの高度な専門家の手を借りず、コーディング不要でAIの学習(機械学習)を実現するサービス・ツールのこと。

は行

ハイパーパラメーター
AIモデル構成やバッチサイズなどの学習前に決める必要があるパラメータの総称。基本的には学習時に最適化が実施されないパラメータであるが、NASなど一部の手法では学習によって部分的に最適化することができる。
バイアス
判定精度に影響を与える学習時の偏りの総称。特定の分類に判定されやすくするために意図的に分類ごとの重みを偏らせる場合もあれば、意図せず画像に偏りが生じ、過学習(オーバーフィッティング)などの原因になることがある。
バッチサイズ
ハイパーパラメーターの一つであり、学習時の重み更新で一度に使用される画像枚数である。例えば、1000枚の画像を200枚ずつの5組に分けて重みを更新していく場合、バッチサイズは200となる。バッチサイズが大きいほど学習効率は高くなる。
標準見本
品質の標準を示すもの。不良の程度を判断するためには、限度見本、不良見本を用いる。
物体検出
画像処理やAIを用いて画像や動画から物体を検知(検出)する技術。AIではDeep Learingが用いられ、代表的な手法ではYOLO、R-CNN、SSDがある。
不良見本
限度見本の中でも不合格品の条件を示すもの。

ま行

前処理
AIや分析の前に対象のデータに対して何かしらの手を加え、加工や整形を行うこと。AI外観検査では画像処理で検査しやすい形にするために、対象範囲の切り出し、マスキング、エッジ強調&ぼかし、2値化、グレースケールなどの処理を行うケースがある。
見逃し
不良品を良品と判定してしまい、不良品を後工程に流してしまうこと。AI外観検査では過検出とのトレードオフになることが多い。
目視検査
人による目視による検査を指し、顕微鏡などを用いて拡大する場合もある。目視検査は最も一般的な検査であり、外観検査でも多い検査方法。

ら行

良品学習
外観検査でAIやDeep Learningの学習をする際に用いる教師なし学習手法の呼び方。良品学習の代表的な実施方法としては、オートエンコーダー(Autoencoder)を用いて良品画像から特徴を学習する。不良品画像が入力された場合には、学習した良品画像との差が出るので、その差分を不良箇所として特定する。
ルールベース検査
画像データを基に人の手で前処理と特徴量を抽出し、判定アルゴリズムを作成し検査する手法。従来の手法と表現されることもある。判定根拠が明確で、ホワイトボックスというメリットがある。一方で、可能性のある欠陥は一つ一つ搭載する必要があること、想定外の欠陥や未知の欠陥には対応できないということもあり、柔軟性の高いAI外観検査が求められるようになった。
ロバスト性
ノイズなどの外乱への対応能力のこと。撮像環境が整わず検査画像の品質が悪い場合でも、精度よく認識できるモデルがロバスト性の高いモデルとなる。

A~Z

AI
Artificial Intelligence(人工知能)の略称。コンピューターがデータを分析し、知的な機能を人工的に実現するための研究、またはこれらの機能を備えたコンピューターシステムを指す。AIの研究分野は、実際に実用化されているものから先端技術として研究されているものまでさまざまあり、人工知能研究の対象は極めて広い。
AIモデル
機械学習モデルと表現されることもある。機械学習やディープラーニングを使用する際の頭脳であり、AIモデルを用いて入力データの結果(出力)を求める。
Autoencoder
自己符号化器と表現されることもある。ニューラルネットワークの一つであり、入力されたデータを圧縮し重要な特徴量のみを残して再度元のデータに復元処理をするアルゴリズムを意味する。代表的な手法の一つとしても注目されており、派生手法にVAE(Variational Autoencoder)やCAE(Convolutional Autoencoder)がある。AI外観検査では、教師なし学習の手法として使われることも多く、良品のみを学習させ不良品は良品との差分で判断する場合がある。
Batch Normalization
ディープラーニングやニューラルネットワークの学習を安定させるための手法の一つ。Batch Normalizationを使用しない場合、ReLUに代表される活性化関数やドロップアウトなどのハイパーパラメーターの設定を調整して学習をするが、学習時の勾配消失・爆発などの課題があった。
CNN
Convolutional Neural Networkの略称であり、ニューラルネットワークの一つ。入力されたデータにフィルターを作用させることで特徴量を抽出し、抽出した特徴量をもとに判定を行うアルゴリズムを意味する。AIを使用した画像認識で最もよく利用される手法であり、一般物体認識で高精度を記録したInceptionやResNetもCNNの一種である。AI外観検査では、教師あり学習の手法として使われることが多く、欠陥の特徴を学習することで良品と不良品の判断を行う。
Deep Learning
機械学習アルゴリズムの一種であり、ニューラルネットワーク(人間の脳を模した構造)を多層に重ねた構造をもつ。多層に重ねた構造により、これまでの機械学習では困難であった抽象的なデータの表現を獲得することができ、AIの発展に大きく貢献した技術である。
Epoch
「学習用データを何回繰り返して学習させるか」を指定する数。AIは学習用データを何度も学習し最適な特徴量を獲得していく。エポック数が大きすぎる場合は過学習になってしまう。適切なエポック数は学習に使用するデータセットやAIのモデルによって変わるため、損失や精度の推移を確認して調整する必要がある。
GAN
Generative Adversarial Networkの略称であり、敵対的生成ネットワークと訳されるAIの一つ。対象データから特徴を学習することで、実在しないデータを生成したり、存在するデータの特徴に沿って変換することができる。
NAS
Neural Architecture Searchの略称。AIモデルの構成を最適化するAutoMLの一種である。従来は人がAIモデルの構成を決定し、学習では構成以外のパラメータが最適化されていた。そのため、AIモデルの構成の最適化は人のノウハウや手間が必要になっていた。一方NASでは、AIの学習の中で自身のモデル構成も最適化していくため、事前にAIモデルの構成を人が決定する必要がなく、柔軟なAIモデルの生成を可能とした技術である。
PLC
外部の機器を自動的にコントロールできる制御装置。製造業では主に工場の設備や機器の自動制御で使用される装置。
Precision
適合率や精度と表現されることもある。機械学習の基本的な評価指標の一つであり、良品と予測したデータのうち真に良品のデータの割合を示した値。外観検査では「適合率が高い」=「見逃しが少ない」といえる。
Recall
再現率と表現されることもある。機械学習の基本的な評価指標の一つであり、良品の全体数のうち正しく良品と判定した割合を示した値。外観検査では「再現率が高い」=「過検出が少ない」といえる。
ROC曲線
判定閾値を変化させた際の良品データの正答率と見逃しデータの割合の変化を示したグラフ。グラフが左上に近いほど良いモデルとされ、AIモデル同士の比較に使用される。

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